コンサルタントにとって、議事録スキルは必須であるものの私自身もコンサルに入りたての頃はなかなか苦労しました。
今回「議事録が上手く書けない原因」や実際に私が行っていた「明日から使える議事録が上手くなるためのアクション」についてまとめてみました。
若手社員が任されることが多い議事録。
コンサルにおいては若手の腕が試される仕事でもあります。
是が非でも議事録でクライアントや上位者の信頼を勝ち取りたいところ。
本記事を読まれているあなたは議事録作成に苦労されていることかと思います。
そこで今回、議事録が上手く書けない原因や、明日から使えるアクションについて解説していきたいと思います!
では早速見ていきましょう!
そもそもコンサルで評価される議事録って?

議事録の品質とかけていい時間を決めるのは「用途」
まず前提として、議事録の評価はどのように決まるのでしょうか?
それは議事録の品質とかけた時間で決まります。
では議事録に求められる品質とかけていい時間は何で決まるか。
それは議事録の用途で決まります。
用途が「コミュニケーション」と「記録」のどちらに重きを置いているのか。
コミュニケーションが目的であれば速報性が求められますし、記録であれば正確性が求められます。
なので、まずは作成する議事録の用途が「コミュニケーション」と「記録」のどちらに重きを置いているのか、求められる品質とかけていい時間を上位者とすり合わせましょう。
期待値を把握できていると、高評価を得られる議事録を効率よく作成できます。
【体験談】会議の倍の時間かかってしまった。。だけど、、
新人時代、議事録作成にめちゃくちゃ時間がかかっているのに、評価が高かった経験があります。
アサインされたばかりでプロジェクトの前提知識もあまりなかったこともあり、2時間の会議の議事録を作るのに4時間くらいかかっていた時期がありました。
最初は「自分ポンコツだな。。」とか思っていたのですが、用途として記録に重きを置いていることを把握していたため、割り切って時間をかけていました。
すると、「要点が正確に記載されているし、欠席者が読んでも分かる良い議事録だね。」と高評価をいただいてました。
このような経験もあり、重要な議事録なのであれば、会議の倍以上の時間がかかってもよいと思っています。
(もちろん毎回改善していく、改善ポイントを説明できるようにすることも大事ですが。)
なので、まずは作成する議事録の用途が「コミュニケーション」と「記録」のどちらに重きを置いているのかをすり合わせていただきたいです。
以上が、そもそも評価される議事録を作成するには用途の把握が重要という話でした。
とはいえ、「用途は把握できているけど上手く書けないんだよ」という方の方が多いと思います。
次の章以降で、用途の認識がズレている以外の議事録を上手く書けない原因と、それに対する具体的な対応策について解説していきます。
議事録を上手く書けない原因

議事録を上手く書けない主な原因は以下3つです。
②議論を理解できていてもタイピングが遅いため、書き起こせない
③議論を書き起こせるものの、情報を構造化できていない
例外はあれど、大概上記3つの原因のいずれかに該当します。
①前提知識がないため、議論を理解できない
①に関しては、意味理解が上手くいっていないパターンと音声知覚が上手くいっていないパターンがあります。
意味理解が上手くいっていないとは、「プロジェクトの過去の経緯やよく使われる単語を知らないが故に理解できない」ということです。
これはアサインされた直後だとあるあるですよね。
これに関してはキャッチアップしていくしかありません。
その都度分からないことを分からないままで終わらせないようにする意識が重要です。
また、意外と盲点なのが、音声知覚が上手くいっていないパターンです。
音声知覚が上手くいっていないとは、人の声を上手く聞き取れていないことを意味します。
プロジェクトにアサインされた直後などは、ほとんどの人の名前と声が脳内で一致していません。
聞きなじみのない音声を知覚するというのは脳にとっては非常に負担がかかっており、 上手く聞き取れないことも多いのです。
対処法としては、一度会議を録音させてもらい、少し時間が空いた時に出席者の声に慣れるのがよいです。
泥臭いんですが、本当に効くので、聞き取りが上手くできない方は一度騙されたと思って試してみてください。
②議論を理解できていてもタイピングが遅いため、書き起こせない
②に関しては地道にタイピング練習をして改善するしかありません。
詳細は割愛させていただきますが、ポイントは正しい指の配置を体に染み込ますことです。
よく「寿司打」で練習される方がいますが、寿司打は正しい指の配置を教えてくれないので、誤った指でキーを打ってしまう悪癖がつきます。
なので、最初はどの指で打つべきかが分かる「e-typing」とかで練習するのがよいと思います。
③議論を書き起こせるものの、情報を構造化できていない
最後の原因として「構造化できていない」ことが挙げられます。
上位者から「分かりにくいんだけど」とか言われる原因はだいたい上手く構造化できていないことが原因です。
そして、正直先に述べた①②はできているのが当たり前なので、 議事録の評価は主に情報を構造化できているかで決まります。
そんな重要度の高い「構造化」ですが、ちょっとしたアクションで劇的な改善が見込まれます。
次章以降、情報を上手く構造化するためのアクションをメインに解説していきます。
明日から使える!議事録の書き方が上手くなるためのアクション

議事録が上手くなるためのアクションは以下です。
- 会議前
- 論点と結論と理由を予想し、構造化する
- 構造化した内容をメモに落とし込む
- 会議中
- 理解できなかったポイントにマークを付ける
- 会議の最後に決定事項、未決事項、ToDoを確認する
- 会議後
- 会議直後に不明点等について確認する
- セルフチェック表でミスを減らす
ここから各アクションについて解説していきます。
会議前:論点と結論と理由を予想し、構造化する
会議前にオススメのアクションは「論点と結論と理由を予想し、構造化する」です。
まず議論の構造を理解しましょう。
議論の構造は①議題、②論点、③結論、④理由でできています。(イメージは以下です。)

議事録作成において大事なのは、議題ごとに、「議論された問い→議論により到達した結論→その結論が導き出された理由」という順序で記載することです。
だいたい会議には既にアジェンダが設定されていると思います。
なので、まずはアジェンダにおける論点と、想定される結論、結論に至った理由を予想しましょう。
(「結論」は決定事項になることもあれば、新論点とToDoになることもあります。)
自分なりに予想するだけでもトレーニングになりますし、議論の論理展開を理解しやすくなります。
また、上位者に確認する際にも仮説を持って聞くことができます。
会議前:構造化した内容をメモに落とし込む
そして、上位者と論点/結論/理由に関して会議前にすり合わせた上で、会議前に構造化した内容をメモしておきます。
メモのイメージは以下です。

優秀なコンサルタントはこの議題/論点/結論/理由の構造化が精度高くできており、本当に会議前に議事録がほぼ書けていたりします。
会議中:ルールに則ってマークを付ける
事前にマークを決めておいて、理解できなかったポイントや決定事項やToDoにマークを付けましょう。
目的は会議の最後や直後に不明点や結論等を確認しやすくするためです。
また、何事も失敗が起こることが前提でリカバリープランを用意しておくことは大事ですよね。
議事録においても理解できないポイントが出てくることが前提でルールを決めておきましょう。
私がよく使っていたマークをサンプルとして記載しておきます。
- ◎:決定事項
- × :未決事項
- ▲:ToDo
- ★:新論点
- ?:不明点(個人的に理解できなかったところ)
会議中:会議の最後に決定事項、未決事項、ToDoを確認する
最後に決定事項、未決事項、ToDoを出席者とすり合わせましょう。
特に未決事項をフワッとさせないことが非常に重要です。
会議の目的は議論をして何かを決めることですから、会議を重ねる度に決まっていなかったことが決まっていかなくてはいけません。
未決事項の認識が揃えば次回の議題も決まりますから、ここは確実に確認しましょう。
プロジェクト参画直後だと勇気がいるかもしれませんが、決定事項/未決事項/ToDoを整理して確認してくれるだけでも出席者からするととてもありがたいです。
ぜひ積極的に確認していきましょう。
会議後:会議直後に不明点等について確認する
結論に至った理由や新論点、不明点等について参加者に確認し、議事録の構造化を仕上げていきましょう。
議事録の構造を再掲します。

まずは、会議の結果「議題ごとの論点に対して、どのような結論になったのか、その結論が導き出された理由は何なのか」を整理しましょう。
自身が理解できていないポイントが見えてくるはずです。
会議中に「不明点のマーク付け」と「決定事項/未決事項/ToDoの確認」ができていれば、会議直後に構造化して不明点を参加者に確認することができると思います。
会議直後が望ましいのは、作成時間を短くするための他に、確認される側の負担が減るためでもあります。
時間が経つほど記憶が曖昧になるので、思い出す負担が増えます。
なので、できるだけ会議直後に、結論に至った理由や新論点、不明点等について参加者に確認しましょう。
会議後:セルフチェック表でミスを減らす
ここまでくれば、構造化された議事録がある程度できているはずです。
あとはセルフチェック表で仕上げていきましょう。
品質向上につながりますし、結果的にメンバー全体の工数削減にも繋がります。
レビュー側に回ると分かるんですが、ケアレスミスが多いと「そのレベルか。。」と感じてしまいますので、それはセルフチェックで避けましょう。
また、セルフチェック表を作っておくと、周囲にどのように質を担保しているかの説明もしやすくなります。
(自身の取り組みを説明できるようにしておくことは高い評価を得るために大事だったりします)
以上、明日から使える議事録の書き方が上手くなるためのアクションでした!
大事なのは成長の幅とスピード

いかがだったでしょうか。
今回紹介したアクションを実行すれば、議事録の品質も作成スピードも上がってくると思います。
今、議事録が上手く書けなくても大丈夫です。
大事なのは成長の幅とスピードだと思います。
自分なりの工夫をして、前回よりも上手く、その次はさらに上手く書けるよう成長していきましょう!
本記事が少しでも皆さんの力になれば幸いです!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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